真空包装のこだわり
真空包装とは
真空包装とは気密性の高い素材を使用し、食品を包装する際に内部の空気を取り除いて真空状態にすることです。包装内で食品を真空状態にすることは大きなメリットがあります。
①食品の鮮度を維持できる
真空包装をすると、食品を空気から遮断することができます。空気を遮断することで、酸素による食品の劣化や酸化をおさえ、味・香り・食感を保ちながら鮮度を保つことができます。
②衛生管理しやすい
空気中には肉眼では見えない様々な微生物が存在しています。微生物の繁殖には栄養・水分・温度が必要ですが、真空包装することで外からの微生物の付着を防げます。また、冷凍・冷蔵で保管することで微生物の繁殖を抑えられます。
スキンパック包装とは
たんや善治郎の牛たんは、スキンパック包装しています。
スキンパック包装は通常の真空包装とは異なる真空包装の形態です。
〈通常の真空包装〉
包装内の空気を吸引して脱気することで、真空に近い状態で密封する方法です。空気を吸引する過程で包装内の気圧が低下し、食品に含まれる水分が飛び出すことがあります。肉を真空包装する場合、うまみ成分であるドリップがしみ出てきます。
〈スキンパック包装〉
食品をトレーなどの上に置き、加熱した特殊なフィルムを上からかぶせます。同時に機械の下から空気を抜き、加熱したフィルムをトレーなどに密着させる方法です。特殊なフィルムは熱で柔らかくなっているため、食品にピタッと密着します。通常の真空包装と比較してドリップがほぼ出ません。
通常の真空包装した牛たん
スキンパック包装した牛たん
スキンパック包装のメリット
スキンパック包装することで、様々なメリットがあります。
①鮮度が保持できる
特殊なフィルムは熱で柔軟に変形し密着するため、食品とフィルムやトレーの間にすき間がなく、酸素に触れないために鮮度が保持できる。
②おいしさを維持できる
栄養分やうまみのもとであるドリップを商品に封じ込めるため、おいしさを維持できる。
③視覚効果が高い
通常の真空包装のように脱気の際に商品を押しつぶさないため、食品本来の形状を保ったまま真空包装が可能となる。また、食品の変色も防げる。
スキンパック包装を導入した理由
たんや善治郎では、今までは通常の真空包装機を使用していました。
牛たんを仕込んだ当日に真空包装をしていたにも関わらず、真空した牛たん表面の色が一部変色したように見えることがあり「鮮度がいい状態なのに、なぜ牛たんの色が変わるのだろう」という疑問がありました。
また、お客様からも「牛たんの色が変色しているが、鮮度の悪いものを使用しているのではないか?」とのご指摘を受けたことがあり、それからは牛たんの変色理由を探ることに、かなりの時間を費やしました。
ある時、いつも通りに牛たんを真空包装している際にハッと気付くことがありました。牛たんを真空包装機で真空している状態を見ると、包装内で何かが沸騰しているように水分がはねています。
その時に、「これが原因では」と感じました。
真空時の包装内部では気圧が極端に下がる事によって沸点も下がり、食品内部の水分が沸騰します。
温度自体は変化していませんが、その際に牛たんから出てくる水分(ドリップ)が原因で、鮮度がいい状態でも変色がおきることが判明しました。
牛たんにはサシの入った部分と赤身の部分があります。真空包装をする際に牛たんのサシの部分から赤身の部分にドリップが流れ移動することにより、牛たんの表面が一部変色していたのです。
牛たんの変色理由は分かりましたが、どうすればいいかは分かりませんでした。
ある時、社内でウニを殻つきのまま真空パックしているテレビ番組を見たとの話があり、調べてみました。
それがスキンパック包装だったのです。スキンパック包装機のメーカーを調べてデモをしてもらうことにしましたが、牛たんをスキンパック包装したところ、通常の真空包装機とは違い、牛たんの変色がありませんでした。
さらに、包装後の牛たんは、まるで食品サンプルのように牛たんの切り込みまで見える状態で、かなりの衝撃でした。その後も何度かデモを行い、スキンパック包装機の導入を決めました。
見た目も美しく、今まで以上に品質にこだわった、たんや善治郎の牛たんを是非一度ご賞味ください。